【虫入り琥珀(こはく) 前編】
自然の生み出した色彩や形状の美しさが、たまらない魅力の鉱物。
今ではもう存在しない、大昔の生物や植物を目の当たりにする興奮をくれる化石。
そんな鉱物と化石の「いいとこ取り」のような特別な存在——
それが虫入り琥珀です。
恐竜と同じ世界で生きていた、現在では存在しない虫を閉じ込めたタイムカプセルのようであり。
太古の虫を細部まで観察することができる、自分だけの博物館のようでもあり。
さらにブラックライトを当てれば、まろやかな琥珀色が幻想的なブルーに変身。
虫入り琥珀は、ワクワクせずにはいられない要素がぎっしり詰まった石なのです。
35年以上前に虫入り琥珀に魅せられ、
今やそのコレクションは10万点を超えるマッチ箱博物館。
気付けば海外の琥珀業者からも、
世界最大規模のコレクターと呼ばれるまでになっていました。
そんなマッチ箱博物館より、虫入り琥珀の魅力をご紹介させて頂きます。
琥珀と言えば何と言っても、「琥珀色」という色が存在するほど
独特で味わい深い色合いが最大の特徴です。
その上品な美しさゆえに、古くから宝石として利用されてきました。
「宝石」と聞くと琥珀は鉱物なのか?と思われるかも知れませんが、
実はそうではありません。
琥珀というのは、太古の樹木の樹脂が固まってできた化石です。
化石でありながら鉱物のように、宝石として愛される美しさ・・・
琥珀は「世界一美しい化石」であると言えるかも知れません。
虫入り琥珀の産地として有名なのはバルト海沿岸地域、
ミャンマー、ドミニカ共和国、そして日本の岩手県久慈市です。
マッチ箱博物館がお届けするのは、
これらの中で生成年代が最も古いミャンマー産の虫入り琥珀。
何と今から約9900万年前の樹木の樹脂からできた琥珀です。
9900万年前の地球は、白亜紀の真っ只中。
そして白亜紀と言えば、そう、恐竜の時代です。
つまりマッチ箱博物館の虫入り琥珀の中に横たわるのは、
恐竜のそばを飛び回ったり、その体に止まったりしていたかも知れない虫たちなのです。
すでに絶滅してしまった恐竜と同じ時代を生きていた、
現在では存在しない虫を閉じ込めた美しい琥珀——
そんな虫入り琥珀の世界を、あなたも楽しんでみませんか?