【星空の水晶 ~オイルインクォーツ~ 後編】
前編では数千万年前に形成されたオイルインクォーツが、1990年代半ばに市場に出回り始めた経緯についてお話ししました。
20世紀末に発見された鉱物界では新顔と言える存在ですが、「光る石」というのはやはり人々の興味をかき立てるもので、すでに世界中で人気を集めています。
水晶の形状にサイズ、石油の色や入り方が個々の石で大きく異なるため、「一点物」感が強い
オイルインクォーツ。
この特性ゆえに、ついついいくつも集めたくなってしまう愛好家も多いようです。
最上級品とされるのは、鮮やかなネオンイエローの石油が含まれるオイルインクォーツです。
このような石は主に、パキスタンのバロチスタン州・カーラン地区で産出します。
石油の色が茶色っぽいものは、同州のクズダル地区で採掘されています。
また国際的な人気の高まりから、新しい鉱山も発見されています。
マッチ箱博物館では、現地の採掘業者から直接購入したオイルインクォーツを一点一点目視で確認。
当館独自の基準を設け、しっかりとグレード分けしています。
「星空の水晶」は、「ブラックライトで照らした際に美しい星空のように見えるか」を基準として
セレクトした石たちです。
子供時代に蛍光するシールやおもちゃ、アクセサリーに夢中になった人は
多いのではないでしょうか。
そんな人たちにぜひ、この石を手に取ってもらえたら嬉しいです。
あの頃感じた暗闇に浮かび上がる光の不思議さ、美しさ——
しかも「星空の水晶」が見せてくれる蛍光は人工の蛍光塗料などではなく、自然の神秘の結晶です。
子供時代以上のワクワクを、ぜひ。