SPHENE
【スフェーン・チタン石・チタナイト・くさび石】
どんな石?
和名ではチタンを含むことから「チタン石」、また結晶の形がくさびのようであることから「くさび石」とも呼ばれるスフェン。黄色~緑色のものが多いが、赤に近い褐色のものなども存在する。こうした色のバリエーションは、わずかに含まれるクロムやバナジウムといった発色元素により生み出されている。透明度が高くクラックの少ない個体は宝石としての価値も高い。宝石の輝きは「屈折率」と「分散度」という2つの要因により決定されるが、スフェンは分散度では宝石の王様”ダイヤモンド”をも上回る。そのためダイヤモンドにも負けない輝きを持つ宝石として注目を集めている。
2021年、制定以来実に63年間改定されることのなかった日本の誕生石に10種類の石が追加されて話題になったが、スフェンは7月の誕生石として加わった「新しい誕生石」の一つである。
もっと詳しく
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分類
ケイ酸塩鉱物
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化学組成
CaTiSiO5
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色
黄色、緑色、褐色
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産地
ロシア、パキスタン、マダガスカルなど
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条痕
白
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モース硬度
5~5.5
結晶の形
八面体
三角形の面が8つある立体
柱状
細長い柱のような形で先が尖っているものもある
六面体
四角形の面が6つある立体
十二面体
五角形の面が12個ある立体
板状
板のように平たい形
鉱物の加工
ラフ
大きな結晶を砕いたままで磨かれていないもの石らしくゴツゴツしている
タンブル
大きな結晶を砕いたのち磨いたもの磨かれたことによって元々の輝きや透明度が増す
スライスカット
平たくカットして磨いたもの表面の模様が見やすい
ファセット
石の表面を多数の切り口でカットして磨いたもの計算されたカットから反射した光が輝く
カボション
ドーム状にカットして磨いたもの。真上から見た形は様々で石の模様や色が際立つ
鉱物を知る