カミナリによって生まれる鉱物から生命誕生の謎を解く手がかり発見される
フルグライトという、カミナリによって生まれる鉱物があります。このフルグライトから、なんと生命誕生のナゾにせまる新説が見つかりました。「生命がリンを得たのはフルグライトからではないか」というものです。
リンはDNAなど生命を形づくるものにかかせない成分です。しかし生命がどうやって得たのかは分かっていませんでした。地球にリンはありましたが、かたい鉱物の中に閉ざされており、生命が得られる状態ではないと思われていたからです。
しかし2016年、アメリカ シカゴの民家にできたフルグライトから見つかった、シュライバーサイトがこの考えをくつがえしました。シュライバーサイトは鉄とニッケルがリン化してできる、めずらしい鉱物です。水中にしずむと、水と反応してリン化合物がとけ出します。当時の地球は温暖で、現在の9倍ほどのカミナリが落ちていたと考えられます。
大量にできたフルグライトにシュライバーサイトが入っているとすれば、これまで有力であった隕石がもたらしたという説と合わせると、生命が出現するのに十分なリンが存在したと考えられるのです。
自分の持っているフルグライトにもシュライバーサイトが入っているかもしれないと思うと、わくわくしますね。
参照記事:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/03/dna-8_1.php